コウモリの生態と身体的特徴

コウモリといえば、山の中の洞窟などに逆さまの状態でぶら下がっているのをテレビなどで見たことがあります。もし人間であれば、1分以上逆さまの状態でいることすら困難です。そんなコウモリの習性だけを取り上げてみても、実に奇妙な生き物だといえるでしょうね。

ここではそんなコウモリが逆さまの状態で過ごす奇妙な習性をはじめとして、その他の様々な不思議な能力や特徴についてご紹介いたします。

コウモリが逆さまにぶら下がる理由

逆さまにぶら下がって状態で大丈夫なの?

コウモリが逆さまの状態で洞窟の天井にぶら下がっているのは誰もがよく知っていることです。しかも長時間そんな状態を続けられるのだから不思議でなりません。人間であれば、体の中の血が頭に集中してしまうので大変です。1分間でもそんな状態を続けられたらまだマシなほうです。

おまけにコウモリは夜行性の生き物なので、明るい昼間はそんな状態を何時間も続けているのです。不思議といえば不思議な話なのですが、コウモリにとっては逆さまの状態がリラックスした状態であると同時に、いつでも翼を自由に動かしながら飛び立つことのできる臨戦態勢でもあるのです。

逆さまの状態でぶら下がる=人や動物が寝ている状態

コウモリが天井にぶら下がった状態が最もリラックスした状態だというのはすでに申し上げました。それについての明確な説はありませんが、コウモリの手足には鋭い爪があるので容易にぶら下がることが可能なのです。そのことによって、手足の爪が折れ曲がるという心配もいらないのです。

さらに驚くべきことには、木や洞窟の天井にぶら下がった状態で死んでいるコウモリさえいるというのですからね。また排泄の際にも、ぶら下がった状態で行うのです。従って人や動物が寝ている時やリラックスしている状態=コウモリのぶら下がり状態ということになります。

コウモリの翼と飛翔のメカニズム

コウモリの翼が鳥の羽と同じ役目をする

コウモリの翼には、鳥の翼のような羽はありません。その代り鳥が空を飛ぶことができるように、コウモリの翼も同様の役目を果たしてくれます。

もう少し具体的にいうとコウモリの翼は、飛膜と呼ばれる伸縮性を持った皮で構成されています。しかも腕と指を伸ばせば翼となって広がるし、腕と指を曲げれば翼を折りたたむこともできます。そのため飛ぶことに関しては、鳥と同様に実に合理的な構造になっているのです。

コウモリの飛翔のメカニズム

コウモリは、ただ単に翼を上下に羽ばたかせるだけではないのです。翼をわずかに微調整をすることで、急降下や急上昇並びに急旋回などの動きが可能となるのです。それこそハングライダーの技そのものです。そうすることで、逃げ回る昆虫などをいとも簡単に仕留めることができるのです。

こうした様々な飛翔に関するアクションは、すべてコウモリが持っている飛膜と呼ばれる翼のおかげです。もう少し具体的にいえばコウモリの飛膜とは、手や前肢・肩にかけて広がる丈夫な皮のことをいいます。そんな飛膜がハングライダーのように空気をうまくとらえるので、コウモリが得意とする様々な飛行スタイルが可能となるのです。

コウモリの視力とその他の身体的特徴

コウモリの視力

コウモリは全世界には1000種類以上もの種類がいるので、夜行性のものや昼行性のものなど様々です。そんな中アブラコウモリに関して言えば、夜行性なのでそれこそ赤外線の視力でもない限り夜活動することは不可能です。そういう意味では、人や動物が持つような通常の視力はないに等しいといえます。

その代りコウモリに光を当てると逃げ惑うことから、光を感知する程度の視力はあるといわれています。またコウモリの視力の役目を果たしているのが超音波です。ちょうど魚群探知機のような超音波を頼りにしながら、障害物や獲物などを探し当てるのです。また仲間との会話も、この超音波を使って行います。

コウモリの2大能力

コウモリには、飛翔とエコーロケーションという2大能力があります。おまけに真っ暗な夜空を飛び回りながら、自由に獲物を捕獲できるのはコウモリとフクロウ・ヨタカくらいしかいません。中でもコウモリの飛翔能力に関していえば、翼を微調整するだけで急上昇や急下降・急旋回が自由自在に行えるのです。

またコウモリが持つエコーロケーション能力とは、超音波を発しながらそれが反射する時間から障害物や獲物との間隔を把握できるという能力です。こうしたコウモリのエコーロケーション能力は、イルカなどにもあり魚群探知機にも応用されています。

まとめ

コウモリの特殊な身体能力についてご紹介いたしました。今回ご紹介したような並外れた能力を持つコウモリなので、くれぐれも家屋に浸入されないよう十分な注意が必要ですね。

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